三文会「2011年後のテレビと動画の未来予見」
- 初参加。メディアの役割みたいなことを最近よく考えるので、テレビの状況を知りたくて行ってみた
- 参加者は10人ちょっとくらい。東大生を中心に、他大学の人とか社会人(たぶん東大OB)とか
- 最初に参加者がそれぞれ1分スピーチ。お題は「テレビとネット動画とどっちをよく見るか」もしくは「人生を変えたテレビ番組」。前もってお題を把握してなかったので正直あせった
- 実際にテレビ番組を制作していた石塚さんという方の制作現場の話が中心。すごくおもしろかった
- 「番組の質を上げるための演出」と「やらせ」をごっちゃにしちゃうような参加者がいなかったのもよかった
- 終わった後、参加者が感想を1分ずつ。「これからはテレビを素直に見れなくなります」というナイーブな感想に驚いてしまったのは、きっと私の心が汚れてるせい。。。
- 石塚さんが最後に紹介した「いい爺いライダー」の話が示唆に富んでいた。感じたのは「楽しんで作る」「作りたいものを作る」「人を巻き込む」。言葉にすると当たり前のことなんだけど
【以下メモ】
- 個人での動画配信が増える。日立のハイビジョンカメラケータイとか。そのうち動画用素材集ができるかも
- 動画はストーリーがないと見るのは厳しい
- 感銘を受けたのはNHK特集「のぞみ5歳」(NHKアーカイブスにある。購入可)。全盲の両親の表情がすばらしい
- 制作に携わっていた番組の例。「愛の貧乏脱出大作戦」と「ぶらり途中下車の旅」。共通点は飲食が関係していること
- 重要なのは三つ。「様々な事例があるか」「ユニークな人が出ているか」「話題性」。ただし話題性を意識しすぎるとブームで終わってしまうので「話題性は考えなくてもいいかな」(石塚さん)
- 愛の貧乏に出てくる達人は喜怒哀楽が動く人でないとダメ。すぐに合格を出してしまうような人では番組が成り立たない
- ぶらり途中下車の旅
- 発見感が大事
- 商店街にはキャラのいいおじさんやおばさんがいる
- 緊張感が大切。街を歩いていて疑問に思ったことがあったら声をかける「ひとりぶらり途中下車の旅」をやってみるとか
- 旅人は年配の人が多い。普通に話ができて相手に気をつかえる人。そうでない人は淘汰される。若い人だと難しい
- メディアリテラシー研究会の参加者は学校の先生が多い。「TVを批判したい」という感じ。番組制作者は忙しすぎてそういう場には来ない
- 民法のメディアリテラシ番組がおもしろい。視聴者からの意見に対する回答を楽しむ
- 土曜朝5時「週刊フジテレビ批評」
- 日曜朝4時50分「はい!テレビ朝日です」
- 日テレは15分番組で、ディレクタが番組の紹介をしてるだけ
- 再びぶらりの話
- 6チームあってそれぞれにディレクターがいる。ディレクターの性格はばらばら
- タレントの撮影日とブツ撮りの撮影日は別。タレントを待たせてブツ撮りはありえない。箸上げは制作スタッフがやっている。「いいものはちゃんと撮る」
- 1日で回っているわけではない。先方の人の都合もある
- 旅人が永島敏行の例。訪問先はビルの地下に作られた田んぼ。彼は農業の授業とかやってるくらい詳しい。若いタレントだとそういう話はできない。好きなネタだと旅人もいい表情をする
- 会話だけで価値がある。しかも会話の制作費はタダ
- 番組冒頭の電車の撮影は鉄道会社の許可が必要。許可を取ってないと警笛を鳴らされてしまう。他の番組は撮影料を払わなければならないが、ぶらりはタダで撮らせてくれる
- ちい散歩はぶらりのパクリ。しかも毎日やってずるい
- 東京メトロから「ぜひぶらりのスタッフに番組を作ってほしい」という依頼。その結果できたのが「東京日和」
- 台本は一応ある。その訪問先で「おもしろい1点」を外さないため
- スケジュールの話。旅人は拘束時間が決まっている。取材先に連絡しておもしろい状況を確実に用意しなければならない。時間との勝負
- 車内の撮影は午前しかできない。午後はラッシュになってしまうため。普通に乗客がいる中で気をつかいながら撮影してる
- 電車の乗り降りは扉の左右をあらかじめ確認しておく。カメラが左右うろうろするわけにはいかないから
- 小学生とのふれあいの場面とか使いたいが、最近では難しい。テレビに映ったことがわかると親から学校にクレームが行くため。モンスターペアレントというわけではなく普通にそう。子供の顔を出せない世の中になってしまった
- 地方ではまだ「タレントが来るとうれしい」というのは残っているが。それがまさに「田舎に泊まろう!」
- スーパーの客のコメントでも最近は顔にぼかしを入れる。逆にそういうことを演出としてやるディレクタもいる
- ロケハンのときには必ず写真を撮る。旅人になったつもりでシミュレーションする
- NHKにはADはいない。全部一人でやる。民放はADが準備してディレクタは演出を行うだけ
- ADは人材不足
- ADを経ずにディレクターになってしまうと「何をやってもいい」と勘違いしてしまう危険性がある
- 作り手が苦労する時代
- 動画サイトの問題点。Ask.jpがつぶれることでユーザーがアップした動画がなくなってしまう。思い出が消える
- 番組には番組ごとの文法がある
- 放送作家の人件費カットが進んでいる。生放送が多くなっているのは制作費を削減するため
- 新聞は5W1Hで文章を書く。一方、テレビでは10秒とか7秒で伝える含蓄のある言葉が必要になる
- 番組の内容に応じた客が来る。ぶらりには「さっき雨降ってたのに(濡れてない)」とか細かいクレームをつける野暮な客は来ない
- 「話しておもしろい」ということが重要。モー娘。とかスター誕生は話をできる舞台だった
- 参加者から中村イネさんの話(これらしい)。一般人にはマネージャーがいないので、急に脚光を浴びると危ない
- 「田んぼdeミュージカル」「田んぼdeファッションショー」「いい爺いライダー」の話
- アラセブ(アラウンドセブンティ)
- 崔洋一監督が応援している。93年の「月はどっちに出ている」に村がマザーズフォレスト賞を贈ったのがきっかけ
- 中心になっている原田幸一さんは昔、電気屋さんでいろんな人の性格を知っている。プロデューサーに必要な資質
- 神風特攻隊の生き残り。特攻服を着て出演
- この村の人たちは道路も自分たちで作った
- 村の名前がなくなることに反対するために映画を作った。そういうことをおもしろがる精神がクリエイティブ
- 石塚さんが持ってきた参考書籍
- テレビであなたの商品・会社をPRするとっておきの方法
- 人気テレビ番組の文法―見る人・出る人・作る人のために