第七回Wikiばな 〜 Wikiの起源へ〜

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

  • 前日の晩に「パターン、Wiki、XP」を一気に読んで行ったので楽しめた

Wikiの起源へ(江渡さん)

  • 個人史の話
  • 85年5月「パソコン通信ハンドブック」
  • 公文俊平氏の情報民主主義
  • www.sfc.keio.ac.jpを立ち上げ
  • 書き込めるページを作りたい
    • Perlで書かれたWebサーバーのPlexusはいまいち
    • 93年12月にhttpdの拡張であるCGIが登場
    • 94年1月にCGIの使い方ページを作った
    • 自主ゼミなどで学生のCGIスクリプトが急増。サーバーの負荷も
  • 2002年に産総研へ。仕事でWikiを使うことに
  • 印象が180度変わった。「技術的に優れた点が少しもない」→「使ったらすごくよかった」(QuickMLも同じ)
  • 2003年に芸大取手キャンパスで教える機会
    • Wikiを導入して大成功
    • 新しいキャンパスを作ろうと教員もラジカルなのがよかった
  • QuickMLのよさをWebに適用したのがqwikWeb
  • ウォード・カニンガムの最初のWikiはバランスが絶妙
  • Wikiばな Vol.3でアレグザンダーとWikiの関係について発表
  • 2006年10月にドコモにWikiの論文→それがきっかけでオブラブで講演
  • 2008年5月に書籍執筆の話
    • スランプを経て2009年6月に完成
    • etoさん自身はデザインパターンもXPもやってないので、島田さんに助けてもらったり、かくたにさんや懸田さんに内容を確認してもらったり
    • 「著者の主張がない」という意見。それをやるんだったらあと1年かかった
  • パターンは自分で作ってみないとわからない
  • Wikiのよさは機能に還元できない
  • Q. 25年経って結局、情報民主主義は起こったのか?
  • A. 技術が社会を変えるという技術決定論は間違い。技術決定論でも社会決定論でもない第3の道を探したい。それがパターンとWikiとXPか? 技術が社会を変えたりはしないとはぼんやりと感じるが、Wikiはよかったな、とか
  • Q(youheiさん). ティム・バーナーズ・リーの最初のブラウザは編集ができた。WikiとWebの親和性は?
  • A. 設計思想は重なるに違いないが、明確な証拠までは調べきれなかった

レビューパターン(編集者2.0)

  • 2001年に新卒で入社してずっとWEB+DB PRESS
  • Dropboxとレビュア用qwikiと執筆者用qwiki(ほぼ催促用)
  • 濱崎さんが内容を整理した図を作ってくれたり、shinoさんが2部と3部の入れ替えを提案したり
  • Wiki系の人たちはサブタイトル「創造の原則」押し(こっちが採用)
  • アジャイル系の人たちはサブタイトル「生成の原則」押し

Wikizensアパート(塚本さん)

  • wiki+citizens
  • 「住人」のイメージ。「入れ替わる」。社内の前のチームのWikiをリフォームして住む
  • 組織内のWikiではよくある
    • 何かの活動のためのWiki
    • コアがヒトではなくモノ
  • etoさん「芸大Wikiもそうだった」
  • Wikipediaのページ単位でも見られる現象
  • 禅との関連(については時間切れ)

老子」からWikiWayへ(shinoさん)

  • 1960〜70年代+インド+オレゴン大学=ヒッピー文化、カウンターカルチャー
  • TAO、道、Way。TAOって言うのが恥ずかしかったんでWiki Way?
  • 道の三つの意味
    1. 2点を結ぶ道
    2. 方法、思想
    3. 宇宙創造の始まり

C2Wiki、カニンガム、WikiWay(島田さん)

  • メンバーが決まっていても目的が決まっていないと機能しない
  • MLと同じ

The Nature of Order(中埜さん)

  • やわらかいパタンランゲージ
  • QWAN(無名の質)という言葉は建築の人は誰も知らない
  • 実はアレグザンダーは「The Nature of Order」の中で名付けている
    • 「生命構造」
    • すべてに命が存在するという考え方。鉛筆にも街にも建築にも
  • ハードとソフトの専門家がユーザーの代わりに作るというやり方では世界を正しく捕まえられない
  • 三者が入ることで個性が高まる
  • ツリー構造の欠陥。マインドマップトップダウン
  • セミラティス構造
  • ボトムアップの方がセミラティス構造ができやすいが、どうやればできるのかがわからない
  • 法律はトップダウン。例えば道路をうまく使えない(露店とか)
  • アレグザンダーはカーペットを収集している。重なり合いが模様を作る
  • パターンは形や言葉のルールではない。もう一つ「組み合わせるプロセス」のルールが必要
  • 世界一おいしいスープの話。プロセス。材料(情報)が同じなのに作り出せるものが違う
  • 「みなさんには無名の質を追求する前衛になってほしい。そして死んでほしい」

The Nature of Software Development(角谷さん)

Wikiみたいなマンション、"沢マン"(懸田さん)

  • 2007年12月に羽生田さんと「沢田マンション超一級資料―世界最強のセルフビルド建築探訪」を共同購入したのが最初
    • 2008年7月 行ってきた
    • 2008年8月 Agile 2008で発表(聴衆が日本人しかいなかった…)
    • 2008年10月 泊まりに行った
    • 2009年2月 デブサミで発表
  • 世界最大級のセルフビルド建築(ただし違法建築)
  • 沢マンと懸田さんは同い年
  • 自作クレーン
  • 屋上で柿ができる
  • 通路兼ベランダ
  • 生き生きしている。「利便性」や「造形美」ではない
  • ヒントはコミュニティの生成
  • 沢マンはオープンソースに近い
  • CGS=Community Generated System
  • 「無名の質」は漸進的に作り上げることで得られる

LT

  • Wiki Way」を持っていってyomoyomoさんにサインをもらった。実はこれがこのイベントに参加した最大の目的だったり
  • この本をきっかけにWikiを知ってその思想に驚いたという、自分的にとても重要な本なので
  • (いつぞやは失礼しました)

  • 懇親会まで1時間以上間が空いて、ちょっと暇を持て余した
  • 懇親会は1次会までで2次会はパス